日本語の基礎 ~読解力向上委員会2~
「じゃ~本物と海賊をどうやったら見分けられる??」 「速く泳ぐ!!」 「???… ???」 「速く泳いだらどうなるの?」 「私にもわからない」 「…じゃ、もう一回流れを整理すっか!」 歴史の授業の一コマです。 この生徒の思考として、 「海賊」→海・怖い→「どうやったら?」→速く泳いで逃げる なんでしょう。 「見分ける」という言葉がかなりあいまいだという予想や され 「見分けられないからとりあえず逃げる」という思考も考えられます。 「方法論」を聞いているのに「自分だったら」に置き換えてしまっている(視点の座位が不明確)ということも考えられます。 定期テストの回収時のお話 「『鉄は熱いうちに打て』ってことわざ知ってる?」 「知らない!」 「鉄は熱くすると、柔らかくなって加工がしやすくなります。鍛冶屋さんとトンチントンチンってやつだね、 じゃ~冷えちゃうとどうなると思う?」 「温かい?」 「そっちにいったか!!!」 この生徒の思考としては、 「熱い」→火傷しちゃうじゃん→「冷えると」→冬にはちょうどいいじゃん→「温かい」 「熱する・加工しやすくなる」⇔「冷やす・加工しづらくなる」という比較(二項対立といいます)がうまくいってないと思われます。 「熱する」⇔「温かい」といった比べるものがそろっていない(観点の不一致といいます)のも気になります。 ひとつ前の例と同様に「自分がどう感じるか」と「鉄の状態は」という視点の座位があいまいです。 普段の学習のなかでどれだけこの言語能力を高められるか!? そこが「鍵」ですね。